うさぎ飼育

うさぎがご飯を食べないけど元気はある…こんな場合はどうすべき?!

ウサギ 健康チェック

うさぎにとって食欲不振はとても危険で緊急を要する症状です。
なぜならばすべての病気の症状に「食欲不振」があてはまってくるからです。元気があるからといって様子を見ている場合ではありません。

うさぎは犬や猫と違って常に胃腸を動かしていなければならず、24時間の絶食には耐えられません。何か食べないと胃腸が動かなくなって胃腸うっ滞という病気になってしまいます。

そうするとさらに食欲がなくなるという悪循環を起こしてしまいます。
どういった時に食欲不振を引き起こすのでしょうか。その代表的な原因をいくつか挙げてみたいと思います。

その1胃腸障害

胃腸障害であるうっ滞とはストレスや病気が原因で胃腸の動きが止まること。食べたものやガスが胃腸にたまってお腹が痛くなり食欲不振や下痢、おなかが張るなどの症状がみられます。特にグルーミングの時に飲み込んだ毛が胃腸の出口を塞ぐ「毛球症」という病気には気を付けなくてはなりません。犬や猫の場合は飲み込んだ毛を吐き出すことができますが、うさぎは胃の周りの筋肉が発達しており吐くことができません。

ほかにもお腹にガスがたまる鼓腸症や腸の中で毛玉が詰まる腸閉塞があります。お腹が痛いときにはじっとしたまま動きたがらない、歯ぎしりをするなどの様子が見られることがあります。

治療法

腸内の環境に合わせて整腸剤や食欲増進剤の投与、点滴などを行います。それでもダメなら開腹手術をしてたまった毛玉を物理的に取り出すことがあります。

食べないことが死に直結するのでシリンジという名の注射器のようなものを使ってドロドロにした餌を強制的に食べさせることもあります。いずれにせよ胃腸障害は命にかかわる病気であると覚えてください。

 

その2歯のかみ合わせが悪い

胃腸障害ではない場合の食欲不振の原因として歯のかみ合わせが悪いということも考えられます。うさぎの歯は一生にわたって一か月に1センチほど伸び続けます。

それでもかみ合わせが合っているのは固くて繊維質の多い牧草を上下の歯でこすりながら食べることにより歯が削られているからなのです。かみ合わせがずれると今度は歯が異常に伸びてきてしまいます。それが原因で食欲がなくなってしまうことがあります。

前歯がかみ合っていないときはものをよく食べこぼす固いものを食べたがらないなどの症状があり、奥歯がかみ合っていないときは量が減ったり食べなくなったりするそうです。かみあわせが悪くなる原因として牧草不足に加えてゲージをかじってしまってなる場合や落下事故、遺伝等があります。

治療法

かみ合わせが悪くなってしまった場合は月に1度ほど動物病院で歯を削ってもらうのがよいでしょう。前歯の場合は麻酔を使わずに歯用の器具にてカットや調整をすることができます。奥歯の場合は全身麻酔をして削ったり抜いたりする可能性が高いです。

 

その3暑くて食べられない

うさぎは暑さに非常に弱い生き物です。飼育するのに快適な温度は16度から25度くらいの間です。それを超えてしまうと暑さのあまり食欲がなくなることがあります。

その他の症状としては、呼吸が早く浅い、冷たい床にぺたんと寝る、鼻が濡れている、などがあります。

治療法

夏場はできるだけエアコンで部屋を冷やしてあげる。(扇風機はうさぎに直接風があたりストレスになってしまうのであまりおすすめしません)ペットショップに売られているアルミ製のスノコなんかも冷たくておすすめです。

 

その4運動不足

うさぎも人間と同じで運動不足になると肥満や筋肉の低下、便秘などの症状が現れます。運動不足は胃腸の動きを悪くし食欲を低下させてしまいます。1日に一時間ほどゲージの外に出して、運動をさせてあげるようにしてあげましょう。

ゲージの中でも運動をさせてあげることは可能です。上下運動ができるようにロフトやステージをつけてあげたりループ状のトンネルを作ってあげたりすると自然と運動量が増えます。

好奇心旺盛な男の子はときどき模様替えをしてあげても遊ぶ目先が変わってよいでしょう。保守的な女の子の中には縄張りを守る意識が強く模様替えを嫌がる子が多いといいます。

治療法

とにかくゲージの外に出して運動をさせると良いでしょう。ゲージの中でも運動ができるように段差をつけるなど工夫をするとよいでしょう。

食欲不振になる原因を4つほど挙げてみましたがやはりどんな病気でも最終的に食欲不振になってしまいます。

ちょっとでも食べないなと思ったら例え元気があったとしても様子を見ていないで、迷わず病院へ連れて行って診察してもらってください。一刻も早く原因を究明して対応するのが良いと思います。獣医さんには何が原因で食欲不振になっているのか、特定するのが非常に難しいといいます。

すこしでも手掛かりになるようなことがあれば細かく獣医さんに説明してあげてください。うさぎの命を救うのは飼い主であるあなたの決断なのです。